・声速水有理(はやみ・ゆうり)に、鈴村さん。
過去回想の14歳と、現在軸の19歳、そしてナレーション。
この作品、すずの膨大なモノローグとナレで成り立っているのですがとっても心地好くて。
本当に、少年たちの御伽噺を聴いているかのようでした。
14歳のすずの少年声がめちゃくちゃ可愛いのと、19歳のすずも決して暗い子ではないのに少し翳りを帯びた雰囲気がとても好きです。
高宮怜人(たかみや・れいと)に、立花さん。
“お城”に住んでいる“王子様”。
それに相応しい麗しいお声です。
立花さんのお声は過去回想と現在とではそこまで区別はないかな。
硝子の硬質さと優しい物腰の両方を感じさせる、正に王子様ヴォイスでした

ナチュラルヴォイスなので、愛する某拓人を思い出す…

ムフ
2人をメインに、脇も安定感のあるキャスティング。
中でも、すずの弟・学(まなぶ)の代永くんがめちゃくちゃ良かったです。
5歳ヴォイスのあの無邪気さ!
何でこんなに可愛いの?!
傍若無人な子どもではなく、何処か健気さすら感じさせる愛らしい代永くんです…

あれを無理なく演れるなんて凄い。心の中で何度抱き締めたことか!


そして、この2人の父親が千葉一伸さん。
一伸さん独特の線の細い、何よりクセモノな雰囲気がぴったりだったと思います。
病弱な妻を献身的に支える良き夫であり、2人の子どもの前で弱音を吐かぬ良き父親であり、そして悪い男でもあると云う多面性はお見事でした。
このお話、何処までも切ない土台の上に、ひとの優しさや善意…、兎に角綺麗なものを寄せ集めたような印象があるので、彼の真意もそこに繋がって行くのだと信じたいです。
失踪する前夜、大切に護ってきた2人の息子の寝顔を人知れず覗きに来た父親の…、それが答えであったと。
立花さんの父親はおっとりとした、何処までも優しい小西さんヴォイス。
叔父の大川さんは、甥の立花さんにとても親身な反面、すずには意地悪です。
久々に悪役を拝聴しましたが、それも愉しかった~♪
・雑感この作品は総合的に良過ぎて、●●買い! と云う一点や、此処を是非聴いて! と云うシーンが思い浮かびません。
好きなシーンは沢山ありますが、聴いて欲しいって思うのはそれこそ全編。
原作未読のせいもあるかもしれませんが、それこそ貪るように聴きました。
あっと云う間の3時間弱。
ひろ、流石にBLCDに若干食傷気味であることは否めないのですが(…)、こう云う作品に出逢えるから聴くのを辞められないと思ってしまう、とっておきの1作です。
酷い例えですが、BLCDってストーリーに中身がなくても不思議に萌えられることがあります。
凄くいいお話なのに、BLCDになった途端に退屈になってしまう場合があります。
ストーリーも演出もいいのに、何だか声のイメージが違って集中出来ないこともあります。
そんな色んなパターンの中で、この作品は過不足がなく、世界が綺麗に閉じているイメージです。
ただ、そこに有理と怜人が居て、2人を取り巻く人たちがいて…それだけでした。
有理は有理でしかなかったし、怜人もまた然り。
それだけ、世界にどっぷり浸って聴いた証しなのだと思います。
正直、立花さんはもう少しこうだったら良かったなあ…と思ったシーンはありましたが(笑/コラ!)…だから、ひろは何を書いていいのか解りません(…)。
物語のはじまりは、何とも心地好いすずのナレーションから。
――先ずは、御伽噺のようなはなしをしようか。
透けた空色のオーガンジーを纏ったみたいに綺麗で、
黄金色に光る蜜のように甘く流れる幸せに包まれていた時間のことを…
またね、BGMが何とも云えず心地好くて優しくて、いつも何処か切ないの…。
それこそ、御伽噺を聴くように思わずうっとりと聴き入ってしまいます。
穏やかな声で語られるのは、可愛い弟・代永くんと優しい父・一伸さん、そして少し幼い声の“お兄ちゃん”であるすずと、病弱な母の4人家族の物語。
幸せで、けれどこの家族のあまりにも儚い未来が想像出来てしまう、脆い御伽噺。
冒頭のすずのモノローグがとても印象的なのは、この物語が、幸せに包まれていた時間が終わってしまった後に続くことにすぐに気付いてしまうから。
男3人で暮らしていた僕たち親子は、毎日必要以上にはしゃいでいた。
総ては、忍び寄る哀しい気配を消すために。
どんなに幸せそうなシーンも儚く脆く聴こえてしまうのは、何故か涙が出るのは、聴いている自分が、幸せが壊れる瞬間が訪れるのを心の何処かで準備しているから。
「大丈夫だよ。……大丈夫だ。何も心配することはない」
――父は、嘘吐きだった。
何時も、嘘ばかり吐いていた。
トラック1のこのあたりでひろは既に瞳にいっぱい涙をためて聴いていました(…)。
代永くんの、我が侭過ぎない、健気さすら感じる愛くるしい弟と。
お兄ちゃんだからしっかりしなければと云う思いで無意識に自分を律しているすずと。
そんな少しの我慢の積み重ねでうまくまわっている世界に、立花さんの優しい手が差し伸べられます。
「有理だって、辛いだろう?」これに対するすずの心情吐露が本当に何だろう、覚えのある感情だなあ…と。
“お兄ちゃんすず”の健気さでもうひとつ涙がぼろっと零れてしまったのが、トラック3の冒頭。
病床の母親との会話のあとのモノローグです。
頷いたら、涙が出てしまいそうだった。
だから僕は、顔を上げたまま笑った。
色んなことを我慢して、けれどそれを大きな不遇だとは思わないすずと。
己の辛い経験をひけらかすでも悲観するでもなく、比べるでもなく、ただすずを思い遣る立花さんと。
2人共いい子過ぎて、最早それだけで泣けます(…)。
トラック3で立花さんの過去を知った後、ただただ純粋な声での、
“弟が欲しかったんだ”と云う回想は胸に迫るものがありました。
母を亡くした後も哀しみをこらえ、自分の哀しみよりも母が望んだようにと弟のことを先に思おうと努力するすずが、立花さんの前でだけは解放されて泣いてしまうシーンは、2人のピュアな絆に涙がぼろぼろ零れます。。。
それと同じトラックで、突然の別れ…。
怜人の声が、耳の奥に張り付いたまま、消えない――。
父親の失踪。
そのせいで起きてしまった不幸な事故。
結果的に父が背負っていたものを総て背負い、更にもっと重たいものも背負い込むことになったすずが、それを理不尽だと父や世界を恨むでもなく、ただ、今だけ泣いてもいいだろうかと密かに涙を零すそのいじらしさがもう…。
自分のことだけでも大変な事態なのに、それでも立花さんの幸せを願うと云う…何でそんなに綺麗な心を持てるのだろうと涙で前が視えません…。
対する立花さんは、5年後に再会し、また記憶を失くして尚、過去と同じようにすずの一番欲しい言葉を何の気負いもなくするりと云ってのけます。
その優しさに、あとからあとからどんどん涙が。。。
ぐだぐだになっていたひろの涙腺が決定的に決壊したのは、2枚目のトラック5。
大好きで、互いに想い合っていて、そのことも互いに解っているのにどうしてもだめで。
「これでもう会わないって云うなら、最後に君を抱きたい」
哀し過ぎて自分の鼻を啜る音とかむ音がうるさくて(ヲイ)ちっとも絡みが聴けない!
BLCDの絡みで過去1度大号泣してしまうことがありましたが、この絡みもそんな感じ…。
挙句、
「――大好きだったよ…さよなら」なんて、こんなに哀しい別れの言葉、この2人には相応しくない…!

涙で前が視えなくなるくらいずびっずびに泣いて、更に最終トラックのすず・代永くん兄弟の会話では、たまらず声を上げて泣きました

代「ねえ、ほんとに? 僕たち、また怜人くんに会える?」
鈴「…っ……、会えるよ…っ」
すずの泣き芝居がこんなに秀逸だったなんて!!!!!
本当に、泣くのを必死に我慢して、でも全然無理だった時に息をしたらこの音になる! って云う音がねっ!!(マニアック過ぎて何がなんだか)
ずーーーっと泣き続けているせいで、絡みはいつもじっくり聴けません(笑)。
けれど立花さんは攻めていてもやっぱり喘いでいて、お花畑まっしぐらでした

絡みに対する萌えとか、そう云うのとはちょっと違う作品だとは思うのですが…矢張り何度聴いてもとてもいいし、泣いてしまいます。
あっ、初回特典のミニドラマでも絡んでます!(何情報)
フリートークは32分強。
テッカテカ★ の立花さんヴォイス(笑)。
一伸さんと代永くん…いや、翼(笑)の寸劇がめっちゃ面白かった!
と云うか代永くんのハイテンション
迷司会、邪気がなくて面白くてひろは結構やみつき(笑)。
そして一伸さんがリアルツンでめちゃ萌えです

あっ、
代永くん×一伸さん、是非お願いします!(笑)
最後の力を振り絞って代永くんのために頑張って司会をするすずに対して、
「(世界が終わる時には)ゲリラライブとかやってみたいです(笑)」てアンタ…!!!(爆笑)
ちょっと代永くんがツボ過ぎた(本編もトークも)作品でした(笑)。
▼原作
世界が終わるまできみと